決潰守護神

日本の川と災害 > 日本の川 > 木曽川水系 > 揖斐川 > 牧田川 > 杭瀬川 > 決潰守護神  Last update 2008/01/20


杭瀬川 6k4付近左岸堤防上
78582878*27







明治廿九年九月濃尾地方を襲ひたる連日の豪雨のため各河川の増水頓に加は
り揖斐川の逆水は汎濫して安八郡下宮村より神戸町に入り之に伴ひて杭瀬牧
田の両川も亦汎濫し西は宮代山麓に至るまで泥海となりしも大垣輪中堤のみ
辛うじて決潰を免れたり然るに九月八日御前六時多藝島町浄土寺内百二十間
の堤防遂に大音響と共に決潰し一瞬にして數戸の家を呑む次いで綾里輪中堤
杭瀬川に決潰して輪中内に濁水奔流し北は不破郡赤坂町より南方遙かに三重
縣桑名市に至るまで一面の大湖と化せり而もかゝる大洪水の中に暴風雨に襲
はれ倒壊家屋續出して人畜の死傷其の數を知らず多藝島地内に於ける田畑の
荒廢五十餘町歩に達し三町歩餘は水田流失して池となり惨禍言語に絶するも
のありき今尚大垣城趾の礎石に標示されたる水位を見れば當時の水禍を憶ふ
に足る茲に永く水難の繰りかへされざらんことを祈りて恭しく守護神を勧請
し奉る所以なり
   昭和三十年二月
               發起者 多藝島町
               後 援 校下一同

大垣輪中多芸島水防倉庫


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